Diary【MRI検査】

約10年ぶり2度目の検査。
前回は違う病院で行ったのだが、
そこは更衣室からMRI検査室までの道のりが短かったのと、
更衣室の入り口が通路側に向いていなかった気がしたのだが、
今回の病院はまあ更衣室の入り口が通路に面しているため、
着替えをロッカーに入れるにも取り急ぎコートで全部包んでざくっと放り込み、
検査着の裾が長く歩きづらいうえに周囲の目に晒されるという地味に高いハードル。

MRI検査中の音は、個人的にはあまり「不快な騒音」には感じていない。
10年前も思ってたし、今回もそうだった。

（あーこれは輪切りにされてる音だな？）とか、
（おおう？この振動の意図は？左右に振れてるが？）とか、
（これはイケボの読経に近いかも？）とか、
あれこれ考えているだけで時間が経つのでさほど怖さはない。

その間、ヘッドホンから心を穏やかにする
オルゴールのメロディーが聞こえているのだが、それを軽く上回る検査の機械音。
かといってボリューム上げるとかえって煩いんだろうか。

時折オルゴールのメロディーが知ってるフレーズになったりして、
「もののけ姫」の時は勝手に米良美一さんを降臨させたけど、
イケボの読経といい勝負だった。

と、その時。
とても美しいメロディーが聞こえ始めた。
ええと、なんだっけこれ。

不意に白い衣装をまとった羽生くんが脳内再生される。

そうだ、ドーム公演で見たやつだ。
タイトルなんだっけ？

あの時の羽生くん、美しかったなあ。
この時ばかりはイケボの読経より羽生くんの舞。

タイトルなんだっけ？
「夏」が入ってた気がするんだけど。

ええと。

「はい、検査終了です～」

無情にもヘッドホン外されて現実に戻される。
ぐぬぬ、もうちょい聞いていたかった。

ってか。
タイトル。

会計済ませて職場に向かう途中で思い出した。
「あの夏へ」だった。

もうちょい聞きたかったな。