Diary【才能】

うちの職場に、
「会話しているだけで人をイラつかせる」才能の持ち主がいる。
明らかに議論を交わしているとかではなく、
雑談程度の会話を、二言三言話しているだけで、
どんなに温和な人でも「いらっ」と来るから不思議。

例えば。
「そこの机を拝借したい」というときに、
大抵の人なら、単刀直入に、
「そこの机を拝借してよろしいですか？」
あるいは、丁寧に、
「仕事で長テーブルが必要になったので、そこの机を拝借していいですか？」
と言えば大体わかるところを、その人は、
「実はかくかくしかじかで、ああでこうで、まあすぐに机を調達しなければならないわけですが、一応社長には購入をお願いしているんだけど、今、仮にこの机を、まあ仮にですけどお借りできないかなと思うのですが」
まあ、回りくどいっていうか。
話の結末がしっかり読めているのに、最後まで言い訳を聞かされなければならない苦痛というか。

それを、
本人が全く自覚していないであろうあたりが、
呆気に取られるというかなんというか。

なんだろう。
会話が怖いのだろうか。
「それではダメです」って言われるのが嫌だから、
最初からやたらと防御策をはってしまうのだろうか。
単なる雑談ですら、
回りくどくて途中で飽きてきちゃうから、
やはりこれは「才能」と呼ぶしかないのかもしれないなあ。