Diary【カワイソウ】

大体において「推し」という存在は、
「かっこいい」「かわいい」「素敵」「美しい」「尊い」など、
割とポジティブな言葉で包まれることが多いと思っているが、
一定数の人たちにおいては何故か、

「可哀想」

という言葉が出てくることがある。

思えば「可哀想」って言葉は、相手を下に見てないと出てこないよね。
「カワイソウ」な彼らを応援しているアタシって偉い、
って思っていないとなかなか生身の人間に「可哀想」は出てこない気がする。

推しには誰より幸せになってほしいと願う一方で、
そんな推しはアタシが愛情を注いで満足感を得る程度に不幸であって欲しいと願う。

そういう厄介な心理状態の人ほど、
推しが思い通りに「可哀想」でいてくれないといらいらするし、
なんなら「不幸でいてくれないと困る」とすら思ってしまう。

推しが関わる朗報には「なんか裏がありそう！」「きっと利用されてるに違いない！」と訝しがり、
推しが巻き込まれるデマには「アタシが声をあげなければ！」とやたら張り切る。

もうこうなってくると立派なアンチ行為だと思うんだけど、
残念ながら気づかないから余計に怖いんだよな。