Movies【容疑者Ｘの献身】

シネコンに着いてから後悔した。
そか、巷は秋休み。平日でも中学生がわんさか。
でも幾ら子供でも劇場内では静かにするだろうと思ったら、
予告編が始まってからわらわらと入ってきた仲良し5人組。
オレの席はここじゃないだのこっちはオマエの席だの。
ってか、誰も確認しないし、
友達同志ならどの座席でもよかろが（笑）

さて、本題。
テレビドラマの延長上にあるのかと思ったら、
これはこれで単独で楽しめる感じ。
何ひとつ不自由なく総てを手に入れてきた湯川と、
何ひとつ自由にならず総てを諦めて生きてきた石神。
その石神が、聖母のような微笑みの靖子と不意に出会うことで、
抗いようの無い『献身』へと身を捧げることになる。

空虚だった心に差したまばゆい光、
無縁だった幸せを隣で感じる喜び。
石神はそれを守りたかった。
自分の人生を捨ててでも。

頭の中での計算では、完全犯罪だった。
しかし、人の心は計算通りには行かない。
どうしても守りたかった人の心を、
より一層苦しめてしまったところで、
ようやく石神は、揺らぐことの無かった心が『愛』で翻弄され、
押さえ込んでいた感情が一気に溢れ出す。
まるで、母を前にした子供のように。

恐らく石神は、何故靖子があんな行動を起こしたのか、
理解することは無いだろう。
愛されることを知らなかったから。
愛するということが判らなかったから。

原作を読んでいないので、
あの事件のトリックには、新鮮に驚いてしまった。
『見せかけるトリック』に、
私もまんまと引っかかってしまったというわけだ。

既に出来上がっているドラマに、
本当に冴えない、猫背の堤さんがよく溶け込んでいた。
『クライマーズ・ハイ』と『舞妓Haaaan!』に出ていたとは思えない（笑）

タグ：堤真一 福山雅治 柴咲コウ 久々に林泰文さんを観た♪