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Diary【賛否】 [Diary]

本来なら、
羽生結弦選手の中国杯を見て、
「おめでとう!」「次もがんばれ!」みたいなことを書こうと思っていた。

書けると思っていた。

まさかのアクシデント。
リンクに倒れたまま起き上がれず、
流血し顔面蒼白の状態でようやくリンクから戻ってきた彼に、
誰もが「棄権」を願っただろう。

しかし。
彼も、エン・カン選手も、強行出場。
お互い転倒を繰り返しながらも気力を振り絞り、
最後まで演じ切った。


私はこれを美談にするつもりはない。
ただ、彼らの覚悟を否定したくもない。

治療を受けリンクに戻ってきた羽生選手に対して、
オーサーコーチは、「ヒーローになる必要はないんだ」と言っていた。
恐らく治療の最中は棄権することを勧めていたのかもしれない。

ただ、羽生選手の決意は揺るがず、
最終的には彼の意志を優先したのだろう。

これに関しても、
その決断を否定したくはない。
オーサーコーチも、苦渋の決断だったろうから。

ジャンプの転倒がありながらも最後まで滑りきった羽生選手の表情は、
相変わらず血の気は無かったがすっきりしていた。
笑顔も見せていた。
オーサーコーチに抱えられ、ふらつきながらキスクラに座る。
安堵と諦めと達成感の混じる複雑な表情で結果を待っていたのは、
決して彼だけではなかったはず。

想像していた以上の結果に、
彼は真っ先にオーサーコーチを見た。
そして、人目も憚らずの号泣。

素直に、よかったと思った。
がんばった、よかったと、涙が出てきた。

エン・カン選手も、
6分間練習もほとんど出来なかったうえに、
羽生選手より安静にしていられる時間が少なかったにも関わらず、
よく最後まで滑りきったと思う。

負傷しながらも、互いを思いやり、
控室で会話をし、握手をする2人にしか分からない、
決意と覚悟と、逃れられない重圧。

いまはただ、この2人の選手に心からの拍手を送りたい。
そして怪我の回復を心から願いたい。

しかし。
19歳で世界の頂点に立った王者に、神様はあまりに酷な試練を与えたものだ。
ソチ五輪の時は東日本大震災。
そして次の平昌五輪までの道のりの最初の壁がこのアクシデントとは。
でも、それでも彼は歩みを止めないだろう。

ならば、
今後このような事態に見舞われた際の、
選手やコーチ陣の意志に頼らない「棄権」か「許可」の決定を下せるルールづくりを、
早急に確立してほしい。
6分間練習のあり方も改善してもいいような気がする。
「たまにこういうことはあるのだからお互い気をつけてください」ではなく。

切に願いたい。


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