Diary【拠り所】

直接お会いしたのは僅か2～3回。
そのときの会話のやり取りも二言、三言。
それでも、彼の人となりは、
彼を取り巻く様々な人たちから幾らでも伝わってきた。

多くの人に愛される人物というのは、
指導力や説得力より先に、
包容力が備わっている人だと思う。

自分の取り巻きを集めたくて、
傲慢になったり威圧的になったりしたところで、
その取り巻きと同じくらいの敵も作ってしまう。

大切なのは、相手を認め、相手を褒め、
何かに躓いたりうな垂れたりしたとき、
ふと後ろを振り返ると必ずそこで笑ってくれるような、
そこにその人が居るから、頑張ろうと思えるような。

そんな、温かい心根の拠り所が、
昨日、重苦しい衝撃を遺して消えてしまった。
心から彼を慕っていた友達にかける言葉を、
私は何処から拾い出せばよいのだろう。

彼の遺した灯りを、
いずれみんなで分け合うことになるとしても、
今はまだ、誰もそれをしたがらないかもしれない。

それほど、大きな拠り所だったのだから。

心よりお悔やみ申し上げます。
あなたを偲んで、いずれ集まってくるであろう人たちを、
どうかこれからも見守ってください。

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