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Movies【ミツバチのささやき】 [Movies]

1973年のスペインの映画だが、
映画の舞台はさらに遡って1940年代のスペインのとある小さな村。
内戦が続く村の中で、娯楽といえばたまにやってくる巡回映画。
自宅から各々椅子を持ってきて公民館に集まり、
老いも若きも映画に没頭する。

そしてその中に、
イザベルとアナという二人の幼い姉妹がいた。
上映の映画は『フランケンシュタイン』。
劇中で、自分と同じような年の女の子が、
怪物と心を通わせた途端、殺されてしまう。

「なぜ、怪物は女の子を殺したの?」
「女の子も怪物も生きてるわ、村の外れの廃墟に住んでるの」
家族が寝静まったころ、姉妹の囁き声が響く。
甘くやわらかい少女たちの囁き。
あどけない子供でいながら、
ふとした表情や目線は官能的でさえあり、
生(或いは性)と死に魅入られていく姿は、脆く危うい。

ある日、村の外れの廃墟で出会った脱走兵を、
アナは「私の怪物」と思い込み、
食べ物を与えたり、父の上着を持って行ったりしていたが、
内戦の混乱で、脱走兵は射殺されてしまう。
遺体が自分の懐中時計と上着を持っていたことを
不審に思った父親が廃墟を訪れ、
それを見たアナは父親が「私の怪物」を殺したのだと誤解し、
森の中に逃げ込んでしまう。

数日経った早朝、
アナは無事に発見され自宅に戻るが、
母親や姉のイザベルにも心を閉ざしてしまうが、
真夜中にふとベッドを抜け出し、闇夜に呼びかける。
いつか、自分だけの怪物に出会えるように。
甘くやわらかな囁きで。
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