Movies【落語娘】：ときソラの小ネタな日々・カスタム：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

Movies【落語娘】　[Movies] [編集]

落語に関する映画は過去にもあった。
『しゃべれどもしゃべれども』
ただこの作品は落語の話というより、
落語の間合いや話の惹きつけ方を通して、
人とのコミュニケーションの大切さを伝える映画だった。

その点『落語娘』は大きく違う。
落語の魅力を最大限に惹き出し、
ただ覚えて聞かせるだけではない、
落語家の心意気までをみせるような映画だった。

何より惹き付けられたのは、落語家たちの表情の豊かさ。
小道具を使ったり声色を変えたりするのは、あくまで添え物、
彼らは、目を見開き大きく口を開け、表情豊かに話に惹き込む。

本来、言葉を伝えるというのはそういうことかもしれない。
顔を見て表情を読み取って、相手の言葉を両手で受け取ることなのだ。
それが今は、活字だけで伝えた気になって、
それが相手にどう響くのかも考えずに、
誰かを苦しめていることすら気付かずに、
活字という脆い世界が総てだと思い込んでしまっている。

もっと、体温を伝えなければ。
意思を持って、自信を持って、胸を張って。

伝統を守るもの、開拓するもの、
それぞれ立場や根っこは違っていても、
体温を持った言葉を伝えたいという心意気は、同じだったのだ。

いいなあ、寄席に行きたくなってきたなあ。