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Movies【鈴木先生】 [Movies]

私の住む地域ではドラマ放送がなく、
結局、動画サイトの無料配信期間に一気に見た『鈴木先生』。

学園ドラマでありながら、
思春期の子どもに見せるには抵抗がありそうな科白の応酬、
でもそういうモノを「見なかったこと」にしてきた大人にとっては、
痛みもあるけど、すっと胸のすくような話で。

だから何としてでも、映画も見てみたかった。

学校に限らず、
今の社会も『公正明大』を重要視したがる。
そして、一点の染みも許さない息苦しさの中で、
たびたびの理不尽さを、「社会に出ればそんなことは幾らでもある」と押しやってしまう。
それでもうまいこと社会に適応出来ればよいのだが、
就職がうまくいかなかったり、他人とうまくやれない人を、
簡単に「社会生活不適合者」として排除したがる。

公園の喫煙所みたいに。

子どもたちに明るい未来を、という理念は理解できる。
ただ、未来を明るく正しい方向に導くために、
闇も影も作らせないまばゆいばかりの光を当てることが、
果たして「正しい未来」に繋がるのだろうか。

逃げ込む場所も落ち着く場所も与えず、
息を吸わせるだけで吐くことを許されないそんな息苦しさを、
卒業してもなおもがき続けている「異分子」のユウジを、
鈴木式教育のスペシャルファクターである小川が、
その凛とした存在感で解かしていく過程が、
全然泣けるシーンではないはずなのに泣けてきて仕方なかった。

もうあの頃には戻れないし、
あの頃に戻ったところでやり直せるとも思えない。
何故自分が、自分だけが、
あの頃散々大人に迷惑かけていた不良や、男と遊びまくってた女子が、
なんの苦労もせずに社会に適応し「勝ち組」にまで上り詰めているのに、
「優等生」だった自分は何故、「異分子」になってしまったのか。

鈴木先生の科白じゃないけど、
誰だって、ユウジになっていたかもしれない。
たった一度の「失敗」や「挫折」で、
簡単に社会から排除されてしまう今の社会に、
確実に違和感を持ちながらも、
それを「理不尽だよねー」で済ませてきた大人たちに、
是非観てほしい映画だなと思った。

や。
それにしても、足子先生、怖すぎた(笑。
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